ドワンゴの準エンジニア手当という制度が面白い

 ドワンゴにはエンジニア手当というものがあって、プログラマーの給与水準が全体的に高くなっている。要するに優遇されている。
 
 しかし、プログラミングの知識はエンジニアだけでなく企画者、あるいはデザイナーにとっても重要である。したがって、エンジニアから他の職種へのコンバートも積極的に進めるという方針がドワンゴにはあるのだが、このときにエンジニア手当というのが問題になる。要するにエンジニアをやめて他の職種にいくと給料が下がるのだ。
 
 そのため元エンジニア手当みたいなものを作ろうとかいうような話もあったのだが、それはそれで不公平ではないかという議論もあり、結果として準エンジニア手当というものを創設し、一定の技術スキルがあることが試験で認められれば、元エンジニアだろうが、元からの企画者やデザイナーだろうが、給料が上がるという仕組みを導入することにしたのだ。
 
 これがいまドワンゴ社内で盛り上がっているらしい、という話を聞いたので紹介する。
 
 盛り上がっているというのは準エンジニア手当を貰える資格を得るための試験に応募した受験者の数が、まず、とても多かったということだ。
 難易度によって手当の金額は変わり、レベル1とレベル2があるのだが、レベル1でも200人、レベル2でも70人と合計300人近くの応募者があったらしい。
 そしてどうも最近はみんな社員は昼飯でも仕事が終わったあとも試験の話題ばっかりで、自主的な勉強会が各所で開催され、参考書として指定された3冊は発表された瞬間にアマゾンで品切れになり、銀座周辺の本屋の店頭からも消え、秋葉原ヨドバシカメラですら見つけることはできなくなった。
 その三冊がなんなのかはリンクを貼るのが面倒なので紹介はしない。
 
 そして試験の結果はどうなったか。まだ、結果は発表されてはいないのだが、このまえの週末に試験があったらしい。
 非エンジニアも対象にしたプログラミングの知識の試験とはいっても、ドワンゴのエンジニアが出す問題のレベルがそんな生易しいわけがないのだが、相当、みんな勉強したらしく、レベル1については相当な合格者が出そうだとのことだ。
 レベル2についても、ドワンゴの現役エンジニアからも合格できるか自信がないというひとが続出するぐらいの難易度で、当然、合格率は50%は下回るそうだが、それでも、それなりの合格者はでそうとのことだ。
 
 まだ、はじまったばかりの試みだが、ぼくはすべての職種にプログラミングの知識は必須である時代は本当はもう来ていると思っている。
 今後、どういうことになるのか、どんな成果がでるのか、でなかったのか、また、機会があれば紹介したい。